整形外科専門研修プログラム
整形外科では、初期研修を終了した3年目より、1か月を1単位として計45単位(3年9か月)の研修が必要となります。
各研修領域と研修単位は以下の通りです。
研修領域と研修期間(1単位は1ヶ月)
外傷 | 6単位 |
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上肢・手 | 6単位 |
下肢 | 6単位 |
脊椎 | 6単位 |
リウマチ | 3単位 |
リハビリ | 3単位 |
スポーツ | 3単位 |
地域医療 | 3単位 |
小児 | 2単位 |
腫瘍 | 2単位 |
流動単位 | 5単位 |
計45単位(3年9ヶ月) |
経験目標
整形外科研修カリキュラムに沿って、経験すべき診察・検査、手術・処置等の経験を積み上げていきます。手術については最低限160例以上の手術手技、うち術者として80例以上の経験が必要となります。また地域研修病院に最低3ヶ月勤務することが必須とされています。4年間で教育研修講演30単位受講、1回以上の学会発表、筆頭著者として1編以上の論文の条件はこれまでと同様です。
金沢大学整形外科研修プログラムの概要
金沢大学整形外科専門研修プログラムの基幹病院である金沢大学附属病院は、全国各地から四肢の骨軟部腫瘍、脊椎腫瘍が数多く紹介され、高度で先進的な治療を行っており、腫瘍分野の研修については他のプログラムでは経験できないような有意義な研修が可能です。また専門研修連携施設は、石川県、富山県、福井県内の主要な病院の大部分を含み、神奈川県、新潟県、京都府にも連携施設が存在します。北陸3県のこども病院、県内の中心病院から地域に根付く中小規模の病院までバラエティーに富んでいます。したがって、金沢大学の研修プログラムでは、地域医療や小児、腫瘍のような単位がとりにくい領域に関しても、問題なく取得する事が出来ます。
金沢大学専門研修プログラムは、<こちら(クリック)>をご覧ください。
専門研修プログラムの詳細は<こちら(クリック)>をご覧ください。
日本整形外科学会の関連ページにリンクしています。
金沢大学附属病院整形外科の特徴
基幹施設である金沢大学附属病院整形外科は、脊椎、骨軟部腫瘍、関節、スポーツ整形、手外科、足外科、外傷、リハビリテーションといった全てのサブスペシャリティ領域の専門家を揃えており、最先端の診断・治療やオリジナリティーのある優れた治療を学ぶことができます。学会発表や論文作成などを通してリサーチマインドの育成にも力を入れています。世界最高峰であり、演題採択が最も厳しい整形外科の国際学会であるアメリカ整形外科学会(AAOS)において、多数の演題が採択されています。中部、関西、中四国地方といった日本国内の約半分の地域を含む中部日本整形外科災害外科学会でも、学会奨励賞をたくさんの若手医師が受賞しており、他の国内外の学会においても数多くの学会賞を受賞しています。金沢大学整形外科では、若手医師の活躍を奨励する雰囲気が根付いているため、大学院生や研修医が学会活動で輝かしい成果を得て、充実した研究活動や臨床診療を行っています。また国際交流も盛んであり、米国、英国、アジア諸国をはじめ海外からの多くの訪問者や留学生を受け入れており、世界に目を向けた診療や研究、研修が可能です。また医局に在籍する若手医師の海外留学も積極的に奨励しています。
専門研修連携施設(関連病院)の特徴
石川県立中央病院、富山県立中央病院、福井県立病院などの北陸各県を代表する病院に加え、地域に根差した各種病院、小児医療施設、リハビリテーション病院を含めた北陸最大の研修プログラムです。 年間手術件数が1000件以上の7施設、大型の総合病院が16施設あり、骨折などの外傷疾患だけでなく、脊椎・関節・スポーツ整形外科・手外科などのサブスペシャリティを学ぶことができます。研修4年間の経験目標である、160例以上の手術手技、うち術者としての80例以上の手術経験も問題なく達成できます。地域の中小規模病院では、充実した関連施設間の連携や同門の先輩医師の指導のもと、落ち着いた環境でプライマリーケアや地域医療などを学ぶことができます。
<関連施設はinstagramで随時紹介中!>京都府、新潟県にも関連施設があり、プログラムのスケジュールや研修施設については、様々な選択肢があります。
研修プログラム修了後の進路
プログラム修了後は、大学院に進学するコースと、連携施設で引き続き整形外科専門医として研鑽を続けるコースが選択できます。現状では、70~80%の医師が大学院へ進学しています。金沢大学整形外科では、オリジナリティーの高い優れた治療を実践し、それに繋がる基礎研究を医局スタッフと大学院生を中心に行っています。臨床診療と基礎研究の両方に従事し、より良い治療を探求・実践することにより、問題解決能力や夢に挑戦する医師としての姿勢を養うことができます。 大学院卒業後は、連携施設でサブスペシャリティ領域の研鑽を続け、地域の医療に貢献するだけでなく国内外の学会でも活躍を続けています。
大学院卒業後に海外留学している医師からのメッセージ(1)
腫瘍グループ所属、五十嵐健太郎です。現在、アメリカのUCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)に留学中です。大学院生活を通して私は「研究は臨床に生かせる」ということを学びました。思い返せば初期研修を終えたばかりのころは、できるだけ早く臨床経験を積み一人前の整形外科医になりたいとあせる気持ちが空回りしていたように思います。大学院で研究、臨床を同時並行に行うことで、「研究の視点から臨床を考える」、「臨床の視点から研究を考える」といった、前のめりにならず一歩引いた視点で物事を考えるという非常に大切なことを学ばせてもらったと思います。
臨床と研究で世界の先端的な試みを行っている金沢大学整形外科の先輩方の背中を追いかけながら、同期や後輩たちと過ごす大学院生活は勉強になるだけでなく、楽しくもあり経験する価値があります。私は大学院だけでは追求しきれなかった研究の続きを行うというチャンスを頂き、留学先で日々頑張っています。
金沢大学整形外科で大学院へ進学するのは様々な可能性と選択肢を広げることに繋がると思います。迷っている人には進学をおススメします。
大学院卒業後に海外留学している医師からのメッセージ(2)
脊椎グループ所属の横川文彬です。大学院を卒業し、現在アメリカのロチェスター大学に留学しています。
臨床診療を行いながら基礎研究や臨床研究を並行して進めていく大学院生活は決して楽ではありませんでしたが、それでも楽しく、充実した大学院生活だったと思えるのは、金沢大学整形外科だからこそではないでしょうか。ここでの研究は学位のためだけの研究にあらず、金沢大学整形外科が誇るオリジナル治療の検証や開発に繋がるため、自ずと探究心が掻き立てられますし、そのオリジナリティー溢れる研究は国内のみならず海外学会からの評価も高く、これもまた大きなモチベーションとなります。研究以外にも、大学院は自分の専門性を深める抜群の環境ですし、プレゼンテーションや英語論文作成などさまざまなスキルを身につけることができるのも大きな魅力です。そして何より医局の雰囲気が最高です。あまりに居心地が良すぎて卒業するのが寂しいくらいでしたが、今はこうして留学というチャンスをいただき、さらなる成長を遂げるべく頑張っています。
金沢大学整形外科、そして大学院の魅力が少しでも伝わればうれしいのですが、百聞は一見に如かず。興味がある方はぜひ見学にいらしてください。
結婚、出産後も活躍している女性医師からのメッセージ
平成21年島根大学卒、平成23年入局の瀬良 愛です。現在は長女を出産し、育児休暇を頂いています。整形外科は“力強い男性向きの科”というイメージが一般的には強いと思います。私も当初はそう思っており進路を悩みました。しかし自分が一番やりがいを感じる仕事をしたいという思いが強く、金沢大学整形外科に入局しました。入局して6年。臨床と研究を経て、整形外科の仕事は外来、手術、リハビリなど多岐にわたり分野も様々で“女性でも活躍できる場が沢山ある科”と感じています。
妊娠時は長期間つわりに悩まされ手術や時間外の救急対応などを行うことが出来ませんでしたが、親身に相談に乗って頂き、多くの先生方のご理解とサポートを得て、安心して過ごすことができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今後は子育てをしながらコツコツと学び、仕事に取り組んで行きたいと思っています。
「整形外科に興味はあるけど、いろいろと不安」と悩む女医さん。心配しなくても大丈夫です!魅力あふれる金沢大学整形外科で是非一緒に頑張りましょう。
連絡先
宛先:金沢大学整形外科 松原 秀憲(研修担当、医局長)
電話番号:076-265-2374(整形外科医局)
E-mail:seikei@med.kanazawa-u.ac.jp