医学生・研修医の方へ

整形外科医を目指す女性医師へ

女性の研修医や医学生で「整形外科、進路として気になるけどどうなんだろう?」と思っている方、いらっしゃいませんか?その「どうなんだろう」という漠然とした疑問や不安感を少しでも減らせるお手伝いができたらと思います。

手術写真
ある日の大学病院での手術
医師5人中、3人が女性医師でした。

Q.女性医師の割合は?

金沢大学整形外科同門会員には、2023年現在24名の女性医師が在籍しています。これは全同門会員の5.2%となり、印象としてはかなり少ないと感じられると思います。ただ、ここ5年の入局者で見てみると44名中6名の13.6%となり、増加傾向であることは間違いありません。平均して毎年1人の女性医師が入局しています。

一方、診療科別で見てみると女性医師の割合で整形外科は最下位であり、明らかに少ないことも事実ですが、少ないからこそ女性ならではの活躍の場面を見つけやすいという利点もあると思います。

Q.整形外科医になったら力仕事が多くて体力が必要ですか?

確かに、診療の中で重い物を持ったり引っ張ったりしなければいけない場面は少なからずあります。世間一般の女性が使ったこともないようなハンマーや電気工具のような道具を使った手術もします。まず、それをかっこいいなと思う方は確実に整形外科に向いています。何の心配も要りませんので、整形外科医になりましょう。そうではなく、自分には握力もないし、スクリュー?ドリル?ペンチって何ですか?という方でも大丈夫です。手術は一人でするものではありませんし、いつでも必ず誰かが周りにいます。腕力や握力はあるに越したことはないですが、必要な時に周囲に助けを求められる判断力の方がずっと大切です。

ちなみに筆者は工具にときめきは感じませんし、太い針金は切れません。そしてこれから切れるようになる気もしていませんが、特に困っていませんので大丈夫です。

体力についても、女性には生理があるのでどんなにやる気があっても毎日体調万全です!というわけにはいきませんよね。これも無理をしない、人に頼るという判断ができることの方が大事です。

また、整形外科の中には多くのサブスペシャリティがあり、希望通り選択することができますので、自分の好みや体力に合った働き方ができる分野を見つけられると思います。力や体力が要りそうなイメージの関節班や脊椎班を選ばれた女性医師もいらっしゃいます。

あれができない、これができないと文句ばかり言うようでは確かに煙たがられてしまいますが、自分が真摯に仕事をしているとその姿勢がそのまま周囲からの助けとして返ってきます。何より整形外科の男性医師は優しいので、どの先生もいつでも快く助けてくださいますよ。

集合写真
北陸整形外科女性医師の会
女性医師のみが出席するセミナーで、ホテルでスイーツを食べながら情報交換をしました。

Q.妊娠、産休・育休、子育てについては?

整形外科は治療対象の特性上、X線を使う手術や処置が多いため、妊娠をするとそれらはできなくなることが多いです。それでも外来や入院管理などできることは多く、他科の女性医師と比べて問題となることはありません。育休・産休はもちろん病院の規定通り取得できますし、女性医師が少ない分、他の先生とタイミングをずらさなければ…という心配をする必要がありません。また、子育てについても仕事と両立してきた先生方はたくさんいらっしゃいます。ただ、妊娠経過や産後の体調、家庭環境などは人によってあまりにも違いが大きい問題ですので、先輩の女性医師の経験を踏襲しようとするのではなく、逐一相談して自分に合った働き方をしていくべきです。医局も、勤務先の先生方も、しっかりと希望を聞いてくれる環境が整っていますので、進路として考えるにあたりデメリットになる点はないと思います。

是非私たちと一緒に働きましょう!相談も含め、ご連絡お待ちしています。