学会記 19th EFORT in Barcerona, Spain (吉谷 純哉)

2018年6月21日

19th EFORT (European Federation of National Associations of Orthopaedics and Traumatology)

 関節外科班大学院生の吉谷です。2018年5月29日に日本を出発し、5月30日から6月1日にスペイン、バルセロナにて行われました19th EFORT(ヨーロッパ整形災害外科学会:European Federation of National Associations of Orthopaedics and Traumatology)に行ってまいりましたので学会記を書かせて頂きます。EFORTは毎年世界各国から多数の演題が応募されており、主なテーマとしては、腫瘍、外傷そしてadult reconstructionなどが占めております。演題総数は3220演題、日本からは176演題であり全体の5.5%を占めており学会会場でもアジア人が非常に多い印象を受けました。

 金沢大学からは腫瘍班、関節班が参加し演題は口演、ポスター合わせて17演題 (oral 6, poster walk 5, poster session 6)もの採択であり去年同様おそらく日本最多の演題数となっております。学会会場ではその広さにまず圧倒されました。展示ブースにおいては国内ではあまり見かけないような企業が、最新の機械を展示しており興味深かったです。某S社に代表されるようなロボットアシスト手術に関係したものが多かったように感じました。一通りウィンドウショッピングを楽しんだその先にはポスター会場があります。ポスターには発表ありとなしの形式がありますが、関節班からは大森先生が、そして外病院から谷中先生が整形外科2年目という若さでの海外学会発表デビューをしました。座長との距離感が非常に近く、Introductionを話している最中なのに「結論は?何が言いたいの?」というような厳しいつっこみが入ることもありました。また座長が来ないこともありました。そんなポスター発表ですが、なんと大森先生、谷中先生の2人ともPoster awardを受賞するという快挙を成し遂げました。大森先生にいたっては座長と連絡先を交換し、「困ったら連絡してこい。」とまで言われるという気にいられようでした。さすがです。

 口演ですが、関節班からは楫野先生、上野先生、そして私吉谷が採択されました。楫野先生、上野先生の両者は、海外留学経験があったり、海外でカツアゲされた経験があったりと豊富な海外経験を存分に発揮し、非常に分かりやすい発表をされました。私は初めての英語発表ということで、緊張しましたが、最終日の最後のセッションということもありそれほど盛り上がらず終わることができました。座長が1分くらいの長いコメントをし始めましたが、20秒くらいで脳がついていかなくなり、最後の方のコメントにだけ返事をしたところ何となく会話のようになり我ながらうまくいったかなと思っております。上岡先生も無事ポスターを貼り終え学会活動は大成功といっていい結果になったと感じています。


 さて学会活動以外の、バルセロナ観光について話したいと思います。バルセロナですがTrip adviserが発表した世界の人気観光地ランキング2017では7位と非常に人気のある都市であります。なぜそれほどまでに人気なのか、私なりに考えてみました。まず、これが一番大きな理由ではないかと思うのですが、どの店に入っても料理がとてもおいしいということです。海外では入念な下調べをしないとなかなか美味しい料理にはありつけないと思っていましたが、バルセロナではいわゆる外れの店というものがありませんでした。ふらっと入った店で美味しいごはんとテンションの高い店員が対応してくれる、旅行幹事にとって非常にありがたい街だと思います。特に美味しいのはやはりパエリアです。加畑先生にいたっては毎日、二次会後のラーメンのように二次会後のイカ墨パエリアを食べておられました。他にはムール貝、サングリア、などなど料理に関しては群をぬいて素晴らしい都市だと思います。

 料理について大分ページを割いてしまいましたので後は月並みな紹介となりますが、サグラダファミリアやグエル公園など美しい建築物が数多くあります。サグラダファミリアは2026年に完成予定ということもあり現在はかなり中まで見学できるようになっておりますので、是非日本語の解説アナウンスを聞きながら観光することをお勧めいたします。

 そんな素晴らしい街バルセロナですが、やはり多いのはスリです。今学会でも大森先生が電車の中でスリの被害にあわれました。ちなみにスリというのは体を擦り付けるようにして盗み取るためにスリと呼ばれておりますが、今回の手口もまさに電車内での密集を利用した手口でした。電車から降りようとする大森先生を何人かがブロックし、その間に前ポケットに入れた財布をすられるという手口でした。Pickpocketされたわけです。大森先生はスリにあった後警察に向かったのですが、日本人が多く犯罪に巻き込まれており、やはりその点に関しては注意が必要だと勉強になりました。

 以上、大変刺激的で充実した日々でした。最後に、このような貴重な機会を与えて頂いた土屋教授をはじめ、同門の先生方に深く感謝申し上げます。今後も海外学会に参加出来るよう、精進したく存じ上げます。