金沢大学附属病院 整形外科

金沢大学整形外科 教授 土屋弘行

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ごあいさつ

 金沢大学整形外科同門会の先生がたには,いつも絶大なるご支援を賜り心より感謝申し上げます.
 5月23日(水)に行われました,2021年開催予定の第94回日本整形外科学会学術総会の会長選挙では,皆様のご尽力のおかげをもちまして,会長に選出していただきました.関係各位に深く感謝申し上げます.学会は,東京オリンピックの翌年,2021年5月20日から23日まで,東京国際フォーラムで行われる予定です.
 学会に向けました私の信念は,歴史創新,新しい時代に適った夢と志を実現することです.テーマは「伝統と創造」として,先人達が築きあげてきた伝統,研究と臨床を振り返り,革新的医療の開発と実用化という新たな創造へと繋げていきたいと思います.金沢大学同門会と教室をあげて,全力で実り多い充実した会を開催したいと思います.また,随所に“金沢流おもてなしの心”を発揮して,参加者の皆さん全員が,満足していただけるようにしたいと考えています.早速,学会開催に向けまして準備に入ります.引き続き,皆様の温かいご支援ご協力をお願いいたします.
 会長立候補に際しての所信を末尾にご紹介します.この所信は,金沢大学整形外科の代表として書かせていただきました.
 昨年1年間の主だった教室業績をご報告いたします.2017年3月にサンディエゴで行われた米国整形外科学会(AAOS)の発表演題数は21題(今年=2018年は何と27題!),ウィーンで開催された欧州整形外科外傷学会EFORTには15題(今年は17題),JOAの3学会を合わせて68演題,国際学会発表演題が91題,医学博士の取得者が7人,科学研究費の獲得が15件,受賞および研究費の獲得が14件,英語論文の発表が46編でした.今後も,この勢いを堅持していきたいと思います.

ごあいさつ

 昨年のテーマは「躍進」でした.皆様のご支援のおかげをもちまして着実に前進することができました.今年のテーマは「精進」としました.心を集中して努力することを心がけ,着実に前進していきたいと思います.引き続き,変わらぬご支援,ご協力をお願いいたします.
 今年4月21日から22日に,愛媛県松山市におきまして第130回中部日本整形外科学会・学術集会が開催されました.その時に,一度は行きたいと思っていた坂村真民記念館を訪れることができました.JCHO金沢病院整形外科の金澤芳光先生を松山空港で誘い,一緒に行きました.坂村真民は,「念ずれば花ひらく」で有名な,多くの人の心に光を灯してきた仏教詩人です.南松山病院整形外科の坂山憲史先生と砥部病院院長の中城敏先生が,記念館へ案内してくださいました.記念館では館長の西澤孝一氏に丁寧な解説をしていただきました.この西澤氏は,坂村真民の3 女の真美子さんと結婚されています.
 坂村真民は,一遍上人を敬愛し,午前零時に起床して夜明けに重信川のほとりで地球に祈りを捧げる生活をしていました.そこから生まれた人生の真理,宇宙の真理を紡ぐ言葉は,弱者に寄り添い,癒しと勇気を与えるもので,老若男女幅広いファン層を持っています.たくさんある詩の中から,厳選して載せてみました.今回の選挙に際しても,これらの詩が力を与えてくれました.左頁の写真の石碑に刻まれた,「念ずれば花ひらく」にも勇気づけられます.また,この味わい深い文字も大好きです.生きている限り,常に前進していきたいと思います.
 私の好きな言葉の中に,“ 草魂” あるいは“ 雑草の如く”というのがあります.まさにこの「タンポポ魂」がそれに通じます.壁にぶち当たったとき,苦境に立たされたときは常にこれが頭に浮かびます.壁はその人の能力を高め,魂を磨き,本物の人物にするために,天が与えてくれる試練だと思うのです.

ごあいさつ

 最後になりますが,毎年年末に師走セミナーを開催しています.そこで,若い先生がたに“ 是非とも伝えたい言葉” を紹介しています.吉田松陰の言葉,「夢なき者に理想なし,理想なき者に計画なし,計画なき者に実行なし,実行なき者に成功なし,故に夢なき者に成功なし」です.「夢・挑戦・実現」を教室のスローガンに掲げております.チャンスがある限り,挑戦していって欲しいと思います.さらに,わが教室員は,心を磨き一歩一歩成長していって欲しいと思います.それに必要なのは,挨拶の徹底(社会人としての礼儀),金沢大学整形外科の一員としての矜持を持つこと,研究,生活態度,心の持ち方など,全てに謙虚に一所懸命努力し続けること,常に全力で取り組むこと,小事を疎かにしないこと,医師である前に人として他人から愛され,尊敬され,模範となる人に成長することと考えます.

 第94回日本整形外科学会学術総会会長の立候補にあたり,所信を述べさせていただきます.
 整形外科の守備範囲は非常に広く,運動器の異常を主訴として訪れる患者は激増しています.また,“ロコモ”の普及に伴い,運動器疾患に対する国民からの注目度も増しています.先進国の中でも急速に高齢化が進行する日本において,生活の質の向上と元気で活力ある社会の実現,そして健康寿命の延伸のために,整形外科医の役割は極めて大きいと考えます.運動器医療の発展に対する国民の期待度は非常に高く,それに応えるべく,私たち整形外科医には継続的な自己練磨と最新最良の医療の供与が必要です.
 そこで,学術総会では「伝統と創造」を基盤とし,これまでの研究と臨床を振り返り,革新的医療の開発・実用化に向けた取り組みを行いたいと考えています.専門医制度をはじめとする医学教育,医療安全,医学倫理,保険診療,多職種連携,さらには,人工知能,拡張現実,ビッグデータ活用という新たなテクノロジー時代の運動器医療など,充実したプログラム作成を重要課題とし,各領域からのご意見を賜りながら,参加者全員が興味を持つことができる有意義な学会を目指します.
 私はこれまで,骨軟部腫瘍,骨軟部組織再建,インプラントテクノロジー,運動器再生などの領域において基礎的および臨床的研究を推し進め,新分野を切り拓いてまいりました.講座担当教授に就任した後は,各研究グループにおける基礎研究と臨床研究の発展と国際化を目標として,新たな創造に向けた幅広い分野の研究を促進すると同時に,関連病院と連携しながら,未来の整形外科を支える若手医師の育成に傾注しております.また,これまでに多くの学会を開催する機会をいただき,平成29年5月には,骨軟部腫瘍領域では最大規模となる国際患肢温存学会(ISOLS)の学会長を担当いたしました.そして,日本整形外科学会では,代議員,各種委員会委員,委員長を務め,平成25年5月から4年間にわたり,理事としてその発展に献身してまいりました.これまでの貴重な経験を生かし,実り多い学術総会にする固い決意でおります.
 この度,学術総会を担当する機会をいただけますならば,学会の成功と日本整形外科学会の更なる発展に向けて,教室と同門会が一丸となって,粉骨砕身,全力を尽くす所存です.

 皆さまの温かいご支援とご指導を何卒よろしくお願い申し上げます.

2018年6月吉日
〈平成30年同門会誌 巻頭言より〉

平成30年 ごあいさつ

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