金沢大学附属病院 整形外科

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ロコモティブシンドローム



ロコモ (ロコモティブシンドローム)とは

 現在、日本では高齢化により運動器疾患(骨や関節、筋肉、神経などの老化や病気)を持つ患者さんが増え続けています。厚生労働省の調査では、65歳以上の高齢者の有訴者率は、「腰痛」が男女とも1位、「手足の関節の痛み」が男性で3位、女性で2位を占めています。要支援・要介護の原因となる疾患においても、運動器疾患の合計は近年、脳血管疾患を上回り1位となりました。中高齢者の多くは、骨粗しょう症や変形性関節症、脊柱管狭窄症などのいくつかの疾患を同時に有していることがあり、それら複数の疾患が影響し組み合わさって運動障害や機能障害、痛みなどを起こしていることが少なくありません(例えば、股関節の病気を有する人に腰痛が多かったり、腰の病気と膝の病気が複合して下肢の痛みや歩きにくさを起こしていたりすることが多くあります)。このように骨、関節、軟骨、椎間板、筋肉といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」 「歩く」といった運動機能(とくに移動機能)が低下している状態をロコモティブシンドローム(通称、ロコモ)といいます。ロコモが進行すると、将来、介護や寝たきりになりやすくなります。政府も国民の健康増進のための基本方針の一つとして、ロコモの認知向上や予防を掲げており、日本整形外科学会でも、啓発活動や予防や治療に関する研究を進めています。
日本整形外科学会ホームページ ロコモチャレンジより図を転載
https://locomo-joa.jp/locomo/


当科での取り組み

 金沢大学附属病院整形外科・脊椎外科では、独自の研究として、ロコモに関連する運動器疾患で診療(手術など)を受けている中高齢者の患者さんに対し、運動能力やロコモティブシンドロームの程度を評価し、その病気の特性や治療効果を評価する研究を行っております。ロコモ治療の3本柱は運動療法と薬物療法、そして手術です。この研究では、手術が必要なほど重症化した運動器疾患を有する患者さんの運動機能や手術による改善を評価することを主な目的としています。
 また、当科スタッフによるロコモに関する医師・患者向けのセミナーを行っており、ロコモの普及や啓蒙に取り組んでいます。

ロコモや慢性腰痛を有する患者向けの運動器具の開発

 当科では、ロコモや慢性腰痛を有する患者、特に高齢者に適した『体幹筋力の測定とトレーニングを両立させた運動器具』を開発しました。血圧計に類似したカフを体幹部に装着して筋力を発揮して筋力測定やトレーニングを行うものです。無理な姿勢をとることなく座位や立位で筋力測定や運動が実施できるため、高齢者やロコモの患者さんに適しています。当科で実施した研究において、この器具で測定した腹部体幹筋力の低下は腰痛や運動機能低下に関連しており、この器具を用いた筋力トレーニングにより体幹筋力が向上しただけでなく、慢性腰痛や運動機能も改善することがわかっています。
実用化にむけて研究開発中